地上では、あの熱狂的なブームがまるで過去のことのように感じられるハンドスピナー。今ではその流行もすっかり影を潜めています。では、地球を離れ、重力が極めて小さい宇宙ステーションでハンドスピナーを回すと、一体どのような動きを見せるのでしょうか?
宇宙空間でのハンドスピナー
先日、宇宙飛行士のランドルフ・ブレスニークさんが、その疑問に答える実験を行いました。彼がXに投稿した動画を見ると、ハンドスピナーを回しながら、自身もくるくると回転するお茶目な様子が映し出されています。ブレスニークさんは、宇宙空間で回転するハンドスピナーについて、次のように説明しています。
「宇宙空間でハンドスピナーを浮かせて回すと、中心の回転軸と外側のアーム部分の回転速度が均一になり、ベアリングの摩擦が減少するんだ。その結果、ハンドスピナー全体がまるで一つの塊のように一体化して回転するんだよ。」
なるほど、言われてみれば納得です。重力がほとんどない宇宙空間では、ハンドスピナーは永遠に回り続けるのではないかと思ってしまいますが、それでもベアリングの摩擦が完全になくなるわけではないのですね。
アームに付けられた重りが遠心力を生み出し、回転を助けるハンドスピナーですが、地上ではその重りが逆に摩擦を生み、回転軸に負荷をかける原因にもなっていたとは。何気なく手にしていたおもちゃも、宇宙で試してみることで、その仕組みをより深く理解することができました。