国際宇宙ステーション(ISS)で宇宙飛行士が生活するためには、地球からの定期的な物資補給が不可欠です。現在、その手段には複数の選択肢がありますが、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたロシアの補給船「Progress 70」が、なんと4時間を切る驚異的なスピードで物資をISSへ輸送し、記録を更新しました。
NASAも驚嘆するスピード

ソユーズロケットに搭載された「Progress 70」補給船が打ち上げられました。
この補給船は、約3トンの食料、燃料、その他の必需品をISSへ運ぶ役割を担いました。打ち上げ後、地球の周回軌道をわずか2周した後、同日午後9時31分にはISSへのドッキングに成功。地上からISSまでの最速記録となる、わずか3時間40分での到達です。
NASAはこの驚異的なスピード記録に対し、称賛のコメントを発表しました。「Progress 70」は無人輸送船ですが、ロシアのROSCOSMOSはこの成功を受けて、有人宇宙船でも同様の高速輸送を早期に実現する計画を進めているようです。
従来の輸送と比較すると、その速さは際立つ
SpaceXやNorthrop Grummanの補給船もISSへの物資輸送を行っていますが、通常、数日を要します。例えば、最近の例では、SpaceXの「Dragon」補給船は6月29日に地上を出発し、ISSへの到着は7月2日でした。「Progress 70」の旅程が、いかに短時間であったかが分かります。
これは、東京から香港へのフライトよりも短い時間で、地球とISS間を移動できることを意味します。もしかすると、このような宇宙への定期便が、私たちにとって身近なものとなる時代が来るかもしれません。