ガイア計画で「未知の惑星」が見つかる|宇宙の進化を解き明かす鍵

宇宙

2025年1月15日、欧州宇宙機関(ESA)ガイア宇宙望遠鏡が、長年のミッションを終えました。その任務は、「銀河の地図を作る」こと。

ガイア計画、未知の惑星を発見

約10億個もの恒星を何度も測定し、位置と速度を精密にマッピングすることで、天の川銀河の3次元地図を作成するという壮大な計画でした。ガイアの観測は、天体の位置と運動を研究する「天体位置測定学」という分野に基づいています。

そして今回、ガイアの観測データを詳細に分析した結果、2つの未知の天体が発見されたのです。

2つの未知の天体を発見

系外惑星「ガイア4b」

1つ目は、系外惑星「ガイア4b」。木星の約12倍という巨大な質量を持つガス惑星で、地球から約244光年離れた恒星「ガイア4」の周りを、570日かけて公転しています。

褐色矮星「ガイア5b」

2つ目は、褐色矮星「ガイア5b」。こちらはさらに質量が大きく、木星の約21倍。地球から約134光年離れた恒星「ガイア5」の周りを公転しています。

発見の背景

特筆すべきは、ガイア4bがガイアによって発見された最初の系外惑星であり、低質量の恒星を周回する惑星としては、過去最大の質量を持つ惑星の一つであるという点です。

ガイアは、「惑星が恒星を引っ張る際のわずかなふらつき」を検出する能力を持っています。この能力によって、これまで誰にも気づかれなかった天体の存在が示唆されたのです。そして、キットピーク国立天文台のNEID分光器による追跡調査の結果、そのふらつきを引き起こしていたのが、ガイア4bとガイア5bであることが明らかになりました。

今後の展望

2026年には、さらに5年半分のガイアミッションデータが公開される予定です。これにより、数百、あるいは数千もの未知の惑星や褐色矮星が発見される可能性があります。これらの発見は、天体がどのように形成されるのか、銀河にはどのような星々が存在するのかといった、宇宙の根源的な謎を解き明かす鍵となるでしょう。広大な宇宙の銀河マップが、これからどのように解明されていくのか、期待が高まります。