ついに民間月面探査機「ブルーゴースト」が月面着陸に成功。
これまで数々のミッションが困難を極めてきた中、この度の成功は、人類にとって大きな前進となります。先日、ブルーゴーストが月へ向けて出発したことをお伝えしましたが、無事に月面着陸を達成したとの報告が届きました。そして、今回公開された映像は、これまでの月面着陸の中でも特に印象的で、歴史的な瞬間を捉えた映像となっています。
月面着陸成功の瞬間
アメリカ東部時間の日曜日、午前3時34分、ブルーゴーストは月面に着陸しました。ファイアフライ・エアロスペース社が公開した映像には、ブルーゴーストが月面へ降下し、スムーズに着陸する様子が記録されています。
ランダーが雲間から姿を現し、その影が月面に伸びていく様子は壮観です。
ブルーゴーストは、月のクレーターの灰色がかった地表を滑るように進み、地平線を照らす太陽光が幻想的な月の風景を描き出す中、着陸地点へと到達しました。着陸時には若干の塵が舞い上がりましたが、その後、静かにレゴリスの上に降り立ち、ランダーの影が月面に映し出されました。この瞬間は、今回のミッションの象徴的なものであり、民間企業による月面探査の新たな可能性を示すものです。
ミッション名「ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ」

今回のミッションは、「ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ」と名付けられ、玄武岩質の溶岩で満たされたクレーター海(Mare Crisium)に着陸しました。火山地形であるモンス・ラトレイユ付近に設定された、約100mの着陸目標地点への正確な着陸でありました。
月面着陸後、ブルーゴーストは搭載機器を展開し、月のレゴリスの採取、画像撮影など、月面上での活動を開始しました。本ランダーは、月の1日(地球時間で14日間)にわたり、月の塵に覆われた地表を分析する予定です。
ブルーゴーストには、NASAの「商業月面ペイロードサービス(CLPS)」の一環として、今後の有人月面探査を支援するための10種類の機器が搭載されています。これらの機器は、月の地下掘削の試験、レゴリスのサンプル採取、衛星ナビゲーション技術の実験、月面の塵(ダスト)対策の研究などに用いられます。
民間月面探査の新たな一歩
ブルーゴーストは、1月15日(水)にフロリダ州のケネディ宇宙センターから、スペースXのファルコン9ロケットに搭載されて打ち上げられました。ファイアフライ・エアロスペース社は、月面着陸に成功した2番目の民間企業となり、着陸後の機体が直立した状態を維持した初の企業となりました(インテュイティブ・マシンズ社の「オデュッセウス」は、2024年2月に月面着陸に成功しましたが、着陸時に脚が破損し、機体が傾いた状態となっています)。
今後のブルーゴーストのミッションの展開に、期待が寄せられています。