ISSから届いた、幻想的な光の映像。
宇宙飛行士のドナルド・ペティ氏が、国際宇宙ステーションから撮影し、Xに投稿した動画。そこには、地球ではなく、宇宙空間を飛び交う無数の光が映し出されていた。

宇宙ホタルとは?人工衛星の光
「なんて美しいんだ…」思わず息をのむ光景。CGではなく、現実の映像である。ペティ飛行士も、この光を「宇宙ホタル」と名付けた。
しかし、もちろんこれは本物のホタルではない。宇宙空間にホタルは存在しない。ペティ飛行士自身もXの投稿で触れているように、この光の正体は人工衛星。SpaceXが展開する宇宙インターネット「Starlink」の人工衛星群の光なのだ。
増加する人工衛星と宇宙の光害

もし、宇宙旅行が現実のものとなれば、人工衛星の夜景は人気ツアーになるかもしれない。実際に、ペティ飛行士の映像も非常に幻想的で美しい。しかし、一方で人工衛星は光害という問題も引き起こす。
現在、地球軌道上を飛行するStarlinkの人工衛星は6700機。今後も打ち上げが続けられ、最終的には4万2000機という大規模な人工衛星群となる計画だ。宇宙ビジネスの加速に伴い、人工衛星を手がけるのはSpaceXだけではない。Blue OriginやOneWebなど、多くの民間宇宙企業が計画を進めている。
また、人工衛星の数だけでなく、その大きさも宇宙の光害に影響を与える。天文学者からは、重要な研究データとなる宇宙画像に人工衛星の光が映り込むことへの懸念の声も上がっている。
宇宙ホタル。それは、ロマンチックな響きを持つ言葉だが、その正体は人工衛星の光。宇宙開発が進む中で、私たちは新たな課題に直面している。