知っておきたい!地球の自転速度が変化する原因と影響
先日、地球の内核の自転速度が減速し、それが地球の自転自体への抵抗力となっているというニュースが駆け巡りました。
これにより、「1日の長さ」がわずかに長くなっているという観測結果も報告されています。
地球の自転速度の変化は、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか?
「1日の長さ」は本当に24時間?

そもそも地球の自転速度が変化し、「1日の長さ」がわずかに変化していると言われても、ピンとこない方が多いのではないでしょうか。
そもそも「1日」という時間は、地球が自転する速さを基準に決められています。地球が1回転するのにかかる時間は約24時間ですが、実際にはわずかな誤差があり、一定ではありません。そのため、地球の自転速度が変化すると、「1日の長さ」もそれに合わせて変化します。
1000分の1秒の「ずれ」が生じても、私たちの生活は変わらない

とはいえ、今回の内核の減速によって生じている「1日の長さ」の変化は、1000分の1秒レベルです。1000分の1秒とは、1秒の1000分の1という意味で、非常に短い時間です。
例えば、私たちが普段使っている時計やカレンダーでは、1秒以下の時間を正確に計測することはできません。
また、人間の感覚では、1000分の1秒の変化を感じ取ることはほとんど不可能です。したがって、今回の地球の自転速度の変化は、私たちの日常生活に直接的な影響を与えることはないと考えられます。
地球の自転速度はなぜ変化する?

- 内核の運動
地球の中心部にある内核は、主に鉄でできており、外核とは異なる速度で自転しています。この内核の運動が、地球の自転速度に影響を与えると考えられています。ただし、内核の運動のメカニズムはまだ解明されていない部分が多く、今後の研究が待たれます。 - マントルの対流
地球のマントルは、流動性のある岩石層で、対流運動をしています。このマントルの対流が、地球の自転速度に影響を与える可能性があります。マントルの対流は、地球内部の熱エネルギーによって引き起こされ、非常にゆっくりとした速さで進行しています。 - 潮汐摩擦
月や太陽の引力によって引き起こされる潮汐は、海水と海底との摩擦を引き起こし、地球の自転速度をわずかに遅くする働きがあります。潮汐摩擦は、地球の自転速度を遅くする最も大きな要因の一つと考えられています。
※これらの要因は単独で作用するだけでなく、複合的に互いに影響し合いながら地球の自転速度を変化させていると考えられています。
過去には「うるう秒」が挿入されたことも
ただし、過去には地球の自転速度の変化に合わせて、うるう秒が挿入されたことがありました。「うるう秒」とは、1日の長さを調整するために、1秒だけ時間を追加する措置のことです。これは、地球の自転速度が徐々に遅くなっていることに対応するために行われました。
しかし、今回の内核の減速による「1日の長さ」の変化は、過去の「うるう秒」の挿入とは逆の方向の変化です。そのため、現時点では「うるう秒」を削除する必要性は低いと考えられています。
今後の研究に注目
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今回の地球の自転速度の変化は、非常に小さなものですが、地球の内部で起きている現象を理解する上で重要な手がかりとなります。今後の研究によって、地球の自転速度の変化の原因や、それが地球全体に与える影響がより詳しく解明されることが期待されます。